歌番号 | 和歌 | 作者 |
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1 | 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ | 天智天皇 |
5 | 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき | 猿丸大夫 |
17 | ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは | 在原業平 |
21 | 今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな | 素性法師 |
22 | 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ | 文屋康秀 |
23 | 月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど | 大江千里 |
24 | このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに | 菅原道真 |
26 | 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ | 貞信公 |
29 | 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 | 凡河内躬恒 |
32 | 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり | 春道列樹 |
37 | 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける | 文屋朝康 |
47 | 八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり | 恵慶法師 |
69 | 嵐吹く み室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり | 能因法師 |
70 | さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ | 良暹法師 |
71 | 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 芦のまろやに 秋風ぞ吹く | 源経信 |
75 | 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり | 藤原基俊 |
79 | 秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ | 左京大夫顕輔 |
87 | 村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ | 寂蓮法師 |
91 | きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む | 後京極摂政前太政大臣 |
94 | み吉野の 山の秋風 さ夜更けて ふるさと寒く 衣うつなり | 参議雅経 |