百人一首を覚えるときは、100首を一度に覚えようとせず、少ない枚数から順に、上の句と下の句のつながりを覚えていくのが近道です。このページでは、目的に合った覚え方、100首を覚える順番、覚えたかどうかの確かめ方をまとめました。
目的別の覚え方 / 覚える順番 / 決まり字 / 語呂合わせ / 1週間の計画 / よくある質問
目的によって覚えるものが変わる
百人一首のかるたでは、読み手が上の句から読み上げ、取る人は下の句だけが書かれた「取り札」を探します。学校の暗唱テストなのか、かるたで札を取りたいのかによって、覚えるべきものが少し変わります。
| 目的 | 覚えること | 進め方 |
|---|---|---|
| 学校の暗唱・テスト | 上の句と下の句の全文。出題範囲によっては作者と意味 | 5首ずつ声に出して読む → 下の句を隠して言えるか確かめる → 意味の一覧で内容を確認 |
| 五色百人一首(色札のかるた) | 使う色の20首の、上の句の始まりと取り札(下の句) | 色札のページで20首ずつ覚え、下の句を隠す練習をする |
| かるた・競技かるた | 決まり字と、それに対応する下の句 | 一字決まりの7首 → 決まり字の短い順 → 最後に大山札 |
| 意味も理解したい | 現代語訳・作者・よまれた場面 | 有名な歌15首から読み、恋の歌や季節の歌などテーマごとに広げる |
100首を覚える順番
おすすめは、次の4つのステップです。覚える数が少ないところから始めると、早い段階で「覚えられた」という手応えが得られます。
ステップ1:一字決まりの7首(むすめふさほせ)
上の句の最初の1文字を聞いただけで、どの歌か決まる7首です。その7文字を並べて「むすめふさほせ」と唱えて覚えます。最初の1文字と下の句の組み合わせを覚えれば、この7首はすぐに取れるようになります。
| 決まり字 | 歌番号 | 上の句 | 下の句 |
|---|---|---|---|
| む | 87 | 村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に | 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ |
| す | 18 | 住の江の 岸による波 よるさへや | 夢の通ひ路 人めよくらむ |
| め | 57 | めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に | 雲がくれにし 夜半の月かな |
| ふ | 22 | 吹くからに 秋の草木の しをるれば | むべ山風を 嵐といふらむ |
| さ | 70 | さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば | いづこも同じ 秋の夕暮れ |
| ほ | 81 | ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば | ただ有明の 月ぞ残れる |
| せ | 77 | 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の | われても末に あはむとぞ思ふ |
ステップ2:色札で20首ずつ
五色百人一首は、100首を20首ずつ5色に分けた札です。20首ずつに分けると、1回に覚える量を減らせます。学校で色が決められていればその色から、決まっていなければ好きな色から始めましょう。各ページに20首の一覧・語呂合わせ・下の句を隠す練習があります。
ステップ3:同じ音で始まる歌を並べて区別する
最初の音が同じ歌は、どの文字で分かれるかを確かめると混ざりにくくなります。たとえば次の組み合わせです。
| 決まり字 | 歌番号 | 上の句 | 下の句 |
|---|---|---|---|
| あきの | 1 | 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ | わが衣手は 露にぬれつつ |
| あきか | 79 | 秋風に たなびく雲の 絶え間より | もれ出づる月の 影のさやけさ |
| ちぎりき | 42 | 契りきな かたみに袖を しぼりつつ | 末の松山 波越さじとは |
| ちぎりお | 75 | 契りおきし させもが露を 命にて | あはれ今年の 秋もいぬめり |
| はなの | 9 | 花の色は うつりにけりな いたづらに | わが身世にふる ながめせしまに |
| はなさ | 96 | 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで | ふりゆくものは わが身なりけり |
| あらざ | 56 | あらざらむ この世のほかの 思ひ出に | 今ひとたびの 逢ふこともがな |
| あらし | 69 | 嵐吹く み室の山の もみぢ葉は | 竜田の川の 錦なりけり |
ステップ4:最後に大山札の6首
上の句の6文字目まで聞かないと決まらない6首は「大山札(おおやまふだ)」と呼ばれます。同じ5文字で始まる歌が2首ずつあるので、6文字目と下の句をセットで覚えます。
| 決まり字 | 歌番号 | 上の句 | 下の句 |
|---|---|---|---|
| わたのはらや | 11 | わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと | 人には告げよ 海人の釣舟 |
| わたのはらこ | 76 | わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの | 雲居にまがふ 沖つ白波 |
| きみがためは | 15 | 君がため 春の野に出でて 若菜つむ | わが衣手に 雪は降りつつ |
| きみがためお | 50 | 君がため 惜しからざりし 命さへ | 長くもがなと 思ひけるかな |
| あさぼらけあ | 31 | 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに | 吉野の里に 降れる白雪 |
| あさぼらけう | 64 | 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに | あらはれわたる 瀬々の網代木 |
決まり字を覚える
決まり字とは、上の句を何文字目まで聞けばどの歌か決まるか、を表す文字のことです。100首を決まり字の長さで分けると次のとおりです。このサイトでは、決まり字を読み上げるときの音に合わせたひらがなで書いています(「を」は「お」など)。
| 種類 | 枚数 | 例 |
|---|---|---|
| 一字決まり | 7枚 | す(18番)、ふ(22番) |
| 二字決まり | 42枚 | あし(3番)、たご(4番) |
| 三字決まり | 37枚 | あきの(1番)、はるす(2番) |
| 四字決まり | 6枚 | なにわが(19番)、こころあ(29番) |
| 五字決まり | 2枚 | よのなかよ(83番)、よのなかは(93番) |
| 六字決まり(大山札) | 6枚 | わたのはらや(11番)、きみがためは(15番) |
この字数は、100枚すべてが残っている状態での長さです。競技かるたでは、すでに読まれた札があると、残りの札の決まり字が短くなることがあります。まずは表の長さで覚えましょう。100首すべての決まり字は決まり字一覧で確認できます。
語呂合わせで覚える
上の句の始まりと下の句をつなぐ短い言葉を作ると、取り札を思い出しやすくなります。語呂合わせは暗記のための言葉で、和歌の意味とは関係ありません。意味を問われるテストでは、別に意味も確認しておきましょう。
| 歌番号 | 上の句 | 下の句 | 語呂合わせ |
|---|---|---|---|
| 1 | 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ | わが衣手は 露にぬれつつ | 秋(あき)の露(つゆ) |
| 3 | あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の | ながながし夜を ひとりかも寝む | あしながながおじさん |
| 5 | 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の | 声きく時ぞ 秋は悲しき | 奥から声がする |
| 18 | 住の江の 岸による波 よるさへや | 夢の通ひ路 人めよくらむ | 夢を見ながら すーすー眠る |
| 24 | このたびは ぬさもとりあへず 手向山 | 紅葉の錦 神のまにまに | このもみじ きれい! |
| 57 | めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に | 雲がくれにし 夜半の月かな | メグちゃん 雲がくれ |
| 70 | さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば | いづこも同じ 秋の夕暮れ | 秋の夕暮れは さびしいなぁ |
| 97 | 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに | 焼くや藻塩の 身もこがれつつ | 約束したのに 来ぬ(こぬ) |
100首すべての語呂合わせは、色札のページ(各20首)に載せています。自分で作った語呂合わせのほうが覚えやすいことも多いので、しっくりこない歌は自分なりの言葉に置き換えてみてください。
意味とセットで覚える
どんな場面の歌かが分かると、言葉のつながりを思い出しやすくなります。次の一覧から、覚えている歌の意味を確かめましょう。
1週間で100首を覚える計画の例
1日で100首すべてを覚えるのは大変です。1日20首を目安に、前の日までに覚えた歌を復習しながら進めましょう。
| 日 | 新しく覚える | 復習 |
|---|---|---|
| はじめに | 一字決まりの7首(むすめふさほせ) | – |
| 1日目 | 青札の20首 | 一字決まりの7首 |
| 2日目 | 桃札の20首 | 青札 |
| 3日目 | 黄札の20首 | 青札・桃札 |
| 4日目 | 緑札の20首 | 間違えた札 |
| 5日目 | 橙札の20首 | 間違えた札 |
| 6日目 | 100首を通して、下の句を隠して確認 | 間違えた札に印をつける |
| 7日目 | 同じ音で始まる歌と大山札の区別 | 印をつけた札だけ |
1日20首が多いと感じたら、1日10首にして2週間で進めても構いません。大切なのは、翌日以降に何度か思い出す機会を作ることです。
覚えたか確かめる
覚えたつもりでも、読まれる順番が変わると思い出せないことがあります。順番を変えて確かめましょう。
- 百人一首の練習問題・テスト:一字決まり・大山札・下の句から上の句・作者を答える問題
- 色札の各ページの「下の句を隠して練習」:20首ずつ上の句から下の句を答える
- 百人一首の遊び方:源平合戦や散らし取りで、実際に札を取って確かめる
よくある質問
何首から覚えればいいですか?
学校で五色百人一首を使う場合は、指定された色の20首から始めましょう。特に決まっていなければ、一字決まりの7首から始めると、少ない数で取れる札が増えます。
上の句と下の句、どちらを先に覚えますか?
暗唱テストなら、上の句と下の句を続けて全文で覚えます。かるたで札を取りたいなら、上の句の始まり(決まり字)と下の句の組み合わせを優先します。
語呂合わせは和歌の意味と関係ありますか?
関係ありません。語呂合わせは、上の句と下の句をつなげて思い出すための言葉です。意味は意味の一覧や各歌のページで確認してください。
1日で100首覚えられますか?
一度に100首を覚えても、日がたつと忘れやすくなります。20首ずつ数日に分け、前の日の分を復習しながら進めるのがおすすめです。
決まり字は全部覚える必要がありますか?
暗唱テストだけなら必要ありません。かるたで早く札を取りたい場合に役立ちます。まずは一字決まりの7首と、自分がよく迷う歌の決まり字から覚えましょう。