百人一首の読み方・ひらがな一覧|100首を歌番号順に(発音・作者付き)

百人一首100首を、歌番号順にひらがなで一覧にしました。和歌の書き方どおりのひらがな(歴史的仮名遣い)と、読み上げるときの発音を並べ、作者も添えています。「は」を「わ」と読むなど、読み方の決まりもまとめました。暗唱の練習や授業の予習にお使いください。

100首のひらがな一覧 / 読み方の決まり / よくある質問

ひらがなの読み方の決まり(歴史的仮名遣い)

百人一首の和歌は、平安時代から鎌倉時代の書き方(歴史的仮名遣い)で書かれています。声に出して読むときは、次の決まりで今の発音に直します。100首のうち、書き方と発音がまったく同じ歌は5首(6・7・31・81・94番)だけです。

書き方 読み方 百人一首の例
語の頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」 「わ・い・う・え・お」 1番「わがころもでは」→「わがころもでわ」、12番「かよひぢ」→「かよいじ」、97番「ゆふなぎ」→「ゆうなぎ」、2番「しろたへ」→「しろたえ」、97番「もしほ」→「もしお」
「ゐ・ゑ・を」 「い・え・お」 76番「くもゐ」→「くもい」、5番「こゑ」→「こえ」、12番「をとめ」→「おとめ」
「ぢ・づ」 「じ・ず」 12番「ふきとぢよ」→「ふきとじよ」、17番「みづ」→「みず」
「む」(〜だろう・〜しよう などの意味の助動詞) 「ん」 3番「ねむ」→「ねん」、12番「とどめむ」→「とどめん」
「あふ」 「おう」 44番「あふことの」→「おうことの」、62番「あふさか」→「おうさか」
「てふ」「けふ」 「ちょう」「きょう」 2番「ほすてふ」→「ほすちょう」、61番「けふ」→「きょう」
「がふ」 「ごう」 76番「まがふ」→「まごう」

語の頭の文字は書き方のまま読みます。たとえば9番「花の色は」は「はなのいろわ」で、頭の「は」はそのまま、助詞の「は」だけを「わ」と読みます。87番「むらさめの」の「む」も語の頭なので「む」のままです。

百人一首100首のひらがな一覧(歌番号順)

「ひらがな」は和歌の書き方どおりのかな、「読み方」は声に出すときの発音です。読み方の太字は、書き方と発音が違うところです。和歌を押すと、その歌の意味・現代語訳・品詞分解・決まり字を載せた解説ページが開きます。

歌番号で移動:1〜10 / 11〜20 / 21〜30 / 31〜40 / 41〜50 / 51〜60 / 61〜70 / 71〜80 / 81〜90 / 91〜100

1〜10番

番号 和歌(作者) ひらがな(書き方) 読み方(発音)
1 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
(天智天皇)
あきのたの かりほのいほの とまをあらみ
わがころもでは つゆにぬれつつ
あきのたの かりおのいおの とまをあらみ
わがころもでわ つゆにぬれつつ
2 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
(持統天皇)
はるすぎて なつきにけらし しろたへの
ころもほすてふ あまのかぐやま
はるすぎて なつきにけらし しろたえの
ころもほすちょう あまのかぐやま
3 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
(柿本人麻呂)
あしびきの やまどりのをの しだりをの
ながながしよを ひとりかもねむ
あしびきの やまどりのおの しだりおの
ながながしよを ひとりかもねん
4 田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ
(山部赤人)
たごのうらに うちいでてみれば しろたへの
ふじのたかねに ゆきはふりつつ
たごのうらに うちいでてみれば しろたえの
ふじのたかねに ゆきわふりつつ
5 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき
(猿丸大夫)
おくやまに もみぢふみわけ なくしかの
こゑきくときぞ あきはかなしき
おくやまに もみじふみわけ なくしかの
こえきくときぞ あきわかなしき
6 かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける
(大伴家持)
かささぎの わたせるはしに おくしもの
しろきをみれば よぞふけにける
かささぎの わたせるはしに おくしもの
しろきをみれば よぞふけにける
7 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも
(安倍仲麿)
あまのはら ふりさけみれば かすがなる
みかさのやまに いでしつきかも
あまのはら ふりさけみれば かすがなる
みかさのやまに いでしつきかも
8 わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり
(喜撰法師)
わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ
よをうぢやまと ひとはいふなり
わがいおわ みやこのたつみ しかぞすむ
よをうじやまと ひとわいうなり
9 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
(小野小町)
はなのいろは うつりにけりな いたづらに
わがみよにふる ながめせしまに
はなのいろわ うつりにけりな いたずらに
わがみよにふる ながめせしまに
10 これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関
(蝉丸)
これやこの ゆくもかへるも わかれては
しるもしらぬも あふさかのせき
これやこの ゆくもかえるも わかれてわ
しるもしらぬも おうさかのせき

11〜20番

番号 和歌(作者) ひらがな(書き方) 読み方(発音)
11 わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟
(参議篁)
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと
ひとにはつげよ あまのつりぶね
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと
ひとにわつげよ あまのつりぶね
12 天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
(僧正遍昭)
あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ
をとめのすがた しばしとどめむ
あまつかぜ くものかよいじ ふきとじよ
おとめのすがた しばしとどめん
13 筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
(陽成院)
つくばねの みねよりおつる みなのがは
こひぞつもりて ふちとなりぬる
つくばねの みねよりおつる みなのがわ
こいぞつもりて ふちとなりぬる
14 陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに
(河原左大臣)
みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに
みだれそめにし われならなくに
みちのくの しのぶもじずり たれゆえに
みだれそめにし われならなくに
15 君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ
(光孝天皇)
きみがため はるののにいでて わかなつむ
わがころもでに ゆきはふりつつ
きみがため はるののにいでて わかなつむ
わがころもでに ゆきわふりつつ
16 たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む
(在原行平)
たちわかれ いなばのやまの みねにおふる
まつとしきかば いまかへりこむ
たちわかれ いなばのやまの みねにおうる
まつとしきかば いまかえりこん
17 ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
(在原業平)
ちはやぶる かみよもきかず たつたがは
からくれなゐに みづくくるとは
ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ
からくれないに みずくくるとわ
18 住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人めよくらむ
(藤原敏行)
すみのえの きしによるなみ よるさへや
ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ
すみのえの きしによるなみ よるさえや
ゆめのかよいじ ひとめよくらん
19 難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや
(伊勢)
なにはがた みじかきあしの ふしのまも
あはでこのよを すぐしてよとや
なにわがた みじかきあしの ふしのまも
あわでこのよを すぐしてよとや
20 わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
(元良親王)
わびぬれば いまはたおなじ なにはなる
みをつくしても あはむとぞおもふ
わびぬれば いまはたおなじ なにわなる
みをつくしても あわんとぞおもう

21〜30番

番号 和歌(作者) ひらがな(書き方) 読み方(発音)
21 今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな
(素性法師)
いまこむと いひしばかりに ながつきの
ありあけのつきを まちいでつるかな
いまこんと いいしばかりに ながつきの
ありあけのつきを まちいでつるかな
22 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ
(文屋康秀)
ふくからに あきのくさきの しをるれば
むべやまかぜを あらしといふらむ
ふくからに あきのくさきの しおるれば
むべやまかぜを あらしというらん
23 月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど
(大江千里)
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ
わがみひとつの あきにはあらねど
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ
わがみひとつの あきにわあらねど
24 このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに
(菅原道真)
このたびは ぬさもとりあへず たむけやま
もみぢのにしき かみのまにまに
このたびわ ぬさもとりあえず たむけやま
もみじのにしき かみのまにまに
25 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人にしられで くるよしもがな
(三条右大臣)
なにしおはば あふさかやまの さねかづら
ひとにしられで くるよしもがな
なにしおわば おうさかやまの さねかずら
ひとにしられで くるよしもがな
26 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
(貞信公)
をぐらやま みねのもみぢば こころあらば
いまひとたびの みゆきまたなむ
おぐらやま みねのもみじば こころあらば
いまひとたびの みゆきまたなん
27 みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ
(藤原兼輔)
みかのはら わきてながるる いづみがは
いつみきとてか こひしかるらむ
みかのはら わきてながるる いずみがわ
いつみきとてか こいしかるらん
28 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
(源宗于)
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける
ひとめもくさも かれぬとおもへば
やまざとわ ふゆぞさびしさ まさりける
ひとめもくさも かれぬとおもえば
29 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花
(凡河内躬恒)
こころあてに をらばやをらむ はつしもの
おきまどはせる しらぎくのはな
こころあてに おらばやおらん はつしもの
おきまどわせる しらぎくのはな
30 有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり 憂きものはなし
(壬生忠岑)
ありあけの つれなくみえし わかれより
あかつきばかり うきものはなし
ありあけの つれなくみえし わかれより
あかつきばかり うきものわなし

31〜40番

番号 和歌(作者) ひらがな(書き方) 読み方(発音)
31 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
(坂上是則)
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに
よしののさとに ふれるしらゆき
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに
よしののさとに ふれるしらゆき
32 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり
(春道列樹)
やまがはに かぜのかけたる しがらみは
ながれもあへぬ もみぢなりけり
やまがわに かぜのかけたる しがらみわ
ながれもあえぬ もみじなりけり
33 ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ
(紀友則)
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに
しづごころなく はなのちるらむ
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに
しずごころなく はなのちるらん
34 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
(藤原興風)
たれをかも しるひとにせむ たかさごの
まつもむかしの ともならなくに
たれをかも しるひとにせん たかさごの
まつもむかしの ともならなくに
35 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
(紀貫之)
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは
はなぞむかしの かににほひける
ひとわいさ こころもしらず ふるさとわ
はなぞむかしの かににおいける
36 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ
(清原深養父)
なつのよは まだよひながら あけぬるを
くものいづこに つきやどるらむ
なつのよわ まだよいながら あけぬるを
くものいずこに つきやどるらん
37 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
(文屋朝康)
しらつゆに かぜのふきしく あきののは
つらぬきとめぬ たまぞちりける
しらつゆに かぜのふきしく あきののわ
つらぬきとめぬ たまぞちりける
38 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
(右近)
わすらるる みをばおもはず ちかひてし
ひとのいのちの をしくもあるかな
わすらるる みをばおもわず ちかいてし
ひとのいのちの おしくもあるかな
39 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
(参議等)
あさぢふの をののしのはら しのぶれど
あまりてなどか ひとのこひしき
あさじうの おののしのはら しのぶれど
あまりてなどか ひとのこいしき
40 しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで
(平兼盛)
しのぶれど いろにいでにけり わがこひは
ものやおもふと ひとのとふまで
しのぶれど いろにいでにけり わがこいわ
ものやおもうと ひとのとうまで

41〜50番

番号 和歌(作者) ひらがな(書き方) 読み方(発音)
41 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
(壬生忠見)
こひすてふ わがなはまだき たちにけり
ひとしれずこそ おもひそめしか
こいすちょう わがなわまだき たちにけり
ひとしれずこそ おもいそめしか
42 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは
(清原元輔)
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ
すゑのまつやま なみこさじとは
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ
すえのまつやま なみこさじとわ
43 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり
(藤原敦忠)
あひみての のちのこころに くらぶれば
むかしはものを おもはざりけり
あいみての のちのこころに くらぶれば
むかしわものを おもわざりけり
44 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
(藤原朝忠)
あふことの たえてしなくは なかなかに
ひとをもみをも うらみざらまし
おうことの たえてしなくば なかなかに
ひとをもみをも うらみざらまし
45 あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
(謙徳公)
あはれとも いふべきひとは おもほえで
みのいたづらに なりぬべきかな
あわれとも いうべきひとわ おもおえで
みのいたずらに なりぬべきかな
46 由良のとを 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな
(曾禰好忠)
ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ
ゆくへもしらぬ こひのみちかな
ゆらのとを わたるふなびと かじをたえ
ゆくえもしらぬ こいのみちかな
47 八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり
(恵慶法師)
やへむぐら しげれるやどの さびしきに
ひとこそみえね あきはきにけり
やえむぐら しげれるやどの さびしきに
ひとこそみえね あきわきにけり
48 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな
(源重之)
かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ
くだけてものを おもふころかな
かぜをいたみ いわうつなみの おのれのみ
くだけてものを おもうころかな
49 みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ
(大中臣能宣)
みかきもり ゑじのたくひの よるはもえ
ひるはきえつつ ものをこそおもへ
みかきもり えじのたくひの よるわもえ
ひるわきえつつ ものをこそおもえ
50 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
(藤原義孝)
きみがため をしからざりし いのちさへ
ながくもがなと おもひけるかな
きみがため おしからざりし いのちさえ
ながくもがなと おもいけるかな

51〜60番

番号 和歌(作者) ひらがな(書き方) 読み方(発音)
51 かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを
(藤原実方)
かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ
さしもしらじな もゆるおもひを
かくとだに えやわいぶきの さしもぐさ
さしもしらじな もゆるおもいを
52 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな
(藤原道信)
あけぬれば くるるものとは しりながら
なほうらめしき あさぼらけかな
あけぬれば くるるものとわ しりながら
なおうらめしき あさぼらけかな
53 嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
(右大将道綱母)
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは
いかにひさしき ものとかはしる
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまわ
いかにひさしき ものとかわしる
54 忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな
(儀同三司母)
わすれじの ゆくすゑまでは かたければ
けふをかぎりの いのちともがな
わすれじの ゆくすえまでわ かたければ
きょうをかぎりの いのちともがな
55 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
(藤原公任)
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど
なこそながれて なほきこえけれ
たきのおとわ たえてひさしく なりぬれど
なこそながれて なおきこえけれ
56 あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな
(和泉式部)
あらざらむ このよのほかの おもひでに
いまひとたびの あふこともがな
あらざらん このよのほかの おもいでに
いまひとたびの おうこともがな
57 めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな
(紫式部)
めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに
くもがくれにし よはのつきかな
めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに
くもがくれにし よわのつきかな
58 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
(大弐三位)
ありまやま ゐなのささはら かぜふけば
いでそよひとを わすれやはする
ありまやま いなのささはら かぜふけば
いでそよひとを わすれやわする
59 やすらはで 寝なましものを さ夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな
(赤染衛門)
やすらはで ねなましものを さよふけて
かたぶくまでの つきをみしかな
やすらわで ねなましものを さよふけて
かたぶくまでの つきをみしかな
60 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立
(小式部内侍)
おほえやま いくののみちの とほければ
まだふみもみず あまのはしだて
おおえやま いくののみちの とおければ
まだふみもみず あまのはしだて

61〜70番

番号 和歌(作者) ひらがな(書き方) 読み方(発音)
61 いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな
(伊勢大輔)
いにしへの ならのみやこの やへざくら
けふここのへに にほひぬるかな
いにしえの ならのみやこの やえざくら
きょうここのえに においぬるかな
62 夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
(清少納言)
よをこめて とりのそらねは はかるとも
よにあふさかの せきはゆるさじ
よをこめて とりのそらねわ はかるとも
よにおうさかの せきわゆるさじ
63 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
(左京大夫道雅)
いまはただ おもひたえなむ とばかりを
ひとづてならで いふよしもがな
いまわただ おもいたえなん とばかりを
ひとづてならで いうよしもがな
64 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
(藤原定頼)
あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえに
あらはれわたる せぜのあじろぎ
あさぼらけ うじのかわぎり たえだえに
あらわれわたる せぜのあじろぎ
65 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
(相模)
うらみわび ほさぬそでだに あるものを
こひにくちなむ なこそをしけれ
うらみわび ほさぬそでだに あるものを
こいにくちなん なこそおしけれ
66 もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし
(前大僧正行尊)
もろともに あはれとおもへ やまざくら
はなよりほかに しるひともなし
もろともに あわれとおもえ やまざくら
はなよりほかに しるひともなし
67 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
(周防内侍)
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに
かひなくたたむ なこそをしけれ
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに
かいなくたたん なこそおしけれ
68 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
(三条院)
こころにも あらでうきよに ながらへば
こひしかるべき よはのつきかな
こころにも あらでうきよに ながらえば
こいしかるべき よわのつきかな
69 嵐吹く み室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり
(能因法師)
あらしふく みむろのやまの もみぢばは
たつたのかはの にしきなりけり
あらしふく みむろのやまの もみじばわ
たつたのかわの にしきなりけり
70 さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ
(良暹法師)
さびしさに やどをたちいでて ながむれば
いづこもおなじ あきのゆふぐれ
さびしさに やどをたちいでて ながむれば
いずこもおなじ あきのゆうぐれ

71〜80番

番号 和歌(作者) ひらがな(書き方) 読み方(発音)
71 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 芦のまろやに 秋風ぞ吹く
(源経信)
ゆふされば かどたのいなば おとづれて
あしのまろやに あきかぜぞふく
ゆうされば かどたのいなば おとずれて
あしのまろやに あきかぜぞふく
72 音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ
(祐子内親王家紀伊)
おとにきく たかしのはまの あだなみは
かけじやそでの ぬれもこそすれ
おとにきく たかしのはまの あだなみわ
かけじやそでの ぬれもこそすれ
73 高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ
(大江匡房)
たかさごの をのへのさくら さきにけり
とやまのかすみ たたずもあらなむ
たかさごの おのえのさくら さきにけり
とやまのかすみ たたずもあらなん
74 憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを
(源俊頼)
うかりける ひとをはつせの やまおろしよ
はげしかれとは いのらぬものを
うかりける ひとをはつせの やまおろしよ
はげしかれとわ いのらぬものを
75 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり
(藤原基俊)
ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて
あはれことしの あきもいぬめり
ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて
あわれことしの あきもいぬめり
76 わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波
(法性寺入道前関白太政大臣)
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの
くもゐにまがふ おきつしらなみ
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの
くもいにまごう おきつしらなみ
77 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ
(崇徳院)
せをはやみ いはにせかるる たきがはの
われてもすゑに あはむとぞおもふ
せをはやみ いわにせかるる たきがわの
われてもすえに あわんとぞおもう
78 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守
(源兼昌)
あはぢしま かよふちどりの なくこゑに
いくよねざめぬ すまのせきもり
あわじしま かようちどりの なくこえに
いくよねざめぬ すまのせきもり
79 秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ
(左京大夫顕輔)
あきかぜに たなびくくもの たえまより
もれいづるつきの かげのさやけさ
あきかぜに たなびくくもの たえまより
もれいずるつきの かげのさやけさ
80 長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は 物をこそ思へ
(待賢門院堀河)
ながからむ こころもしらず くろかみの
みだれてけさは ものをこそおもへ
ながからん こころもしらず くろかみの
みだれてけさわ ものをこそおもえ

81〜90番

番号 和歌(作者) ひらがな(書き方) 読み方(発音)
81 ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる
(後徳大寺左大臣)
ほととぎす なきつるかたを ながむれば
ただありあけの つきぞのこれる
ほととぎす なきつるかたを ながむれば
ただありあけの つきぞのこれる
82 思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり
(道因法師)
おもひわび さてもいのちは あるものを
うきにたへぬは なみだなりけり
おもいわび さてもいのちわ あるものを
うきにたえぬわ なみだなりけり
83 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
(皇太后宮大夫俊成)
よのなかよ みちこそなけれ おもひいる
やまのおくにも しかぞなくなる
よのなかよ みちこそなけれ おもいいる
やまのおくにも しかぞなくなる
84 長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき
(藤原清輔)
ながらへば またこのごろや しのばれむ
うしとみしよぞ いまはこひしき
ながらえば またこのごろや しのばれん
うしとみしよぞ いまわこいしき
85 夜もすがら 物思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり
(俊恵法師)
よもすがら ものおもふころは あけやらで
ねやのひまさへ つれなかりけり
よもすがら ものおもうころわ あけやらで
ねやのひまさえ つれなかりけり
86 嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな
(西行法師)
なげけとて つきやはものを おもはする
かこちがほなる わがなみだかな
なげけとて つきやわものを おもわする
かこちがおなる わがなみだかな
87 村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
(寂蓮法師)
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに
きりたちのぼる あきのゆふぐれ
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに
きりたちのぼる あきのゆうぐれ
88 難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき
(皇嘉門院別当)
なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ
みをつくしてや こひわたるべき
なにわえの あしのかりねの ひとよゆえ
みをつくしてや こいわたるべき
89 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする
(式子内親王)
たまのをよ たえなばたえね ながらへば
しのぶることの よわりもぞする
たまのおよ たえなばたえね ながらえば
しのぶることの よわりもぞする
90 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色はかはらず
(殷富門院大輔)
みせばやな をじまのあまの そでだにも
ぬれにぞぬれし いろはかはらず
みせばやな おじまのあまの そでだにも
ぬれにぞぬれし いろわかわらず

91〜100番

番号 和歌(作者) ひらがな(書き方) 読み方(発音)
91 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む
(後京極摂政前太政大臣)
きりぎりす なくやしもよの さむしろに
ころもかたしき ひとりかもねむ
きりぎりす なくやしもよの さむしろに
ころもかたしき ひとりかもねん
92 わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし
(二条院讃岐)
わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの
ひとこそしらね かわくまもなし
わがそでわ しおひにみえぬ おきのいしの
ひとこそしらね かわくまもなし
93 世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも
(鎌倉右大臣)
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ
あまのをぶねの つなでかなしも
よのなかわ つねにもがもな なぎさこぐ
あまのおぶねの つなでかなしも
94 み吉野の 山の秋風 さ夜更けて ふるさと寒く 衣うつなり
(参議雅経)
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて
ふるさとさむく ころもうつなり
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて
ふるさとさむく ころもうつなり
95 おほけなく うき世の民に おほふかな わが立つ杣に 墨染の袖
(前大僧正慈円)
おほけなく うきよのたみに おほふかな
わがたつそまに すみぞめのそで
おおけなく うきよのたみに おおうかな
わがたつそまに すみぞめのそで
96 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
(入道前太政大臣)
はなさそふ あらしのにはの ゆきならで
ふりゆくものは わがみなりけり
はなさそう あらしのにわの ゆきならで
ふりゆくものわ わがみなりけり
97 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
(藤原定家)
こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに
やくやもしほの みもこがれつつ
こぬひとを まつほのうらの ゆうなぎに
やくやもしおの みもこがれつつ
98 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける
(従二位家隆)
かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれは
みそぎぞなつの しるしなりける
かぜそよぐ ならのおがわの ゆうぐれわ
みそぎぞなつの しるしなりける
99 人も惜し 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は
(後鳥羽院)
ひともをし ひともうらめし あぢきなく
よをおもふゆゑに ものおもふみは
ひともおし ひともうらめし あじきなく
よをおもうゆえに ものおもうみわ
100 ももしきや 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
(順徳院)
ももしきや ふるきのきばの しのぶにも
なほあまりある むかしなりけり
ももしきや ふるきのきばの しのぶにも
なおあまりある むかしなりけり

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よくある質問

「てふ」「けふ」はなんと読みますか?

「てふ」は「ちょう」、「けふ」は「きょう」と読みます。2番「衣ほすてふ」は「ころもほすちょう」、61番「けふ九重に」は「きょうここのえに」です。

「む」を「ん」と読むのはどんなときですか?

「〜だろう」「〜しよう」などの意味を表す助動詞の「む」は「ん」と発音します。3番「ひとりかも寝む」は「ひとりかもねん」、12番「しばしとどめむ」は「しばしとどめん」です。87番「むらさめの」のように語の頭にある「む」は、そのまま「む」と読みます。

覚えるときは、ひらがなと読み方のどちらを使えばよいですか?

声に出して覚えるときや、読み上げを聞いて札を取る練習では「読み方」の列が役に立ちます。書いて答えるテストでは、授業で習った表記に合わせてください。覚える順番や語呂合わせは百人一首の覚え方、覚えたかどうかは練習問題で確かめられます。

参考にした資料

確認日:2026年10月22日