番 | 和歌 | 作者 |
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42 | 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは |
清原元輔 |
50 | 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな |
藤原義孝 |
51 | かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを |
藤原実方 |
52 | 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな |
藤原道信 |
56 | あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな |
和泉式部 |
58 | 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする |
大弐三位 |
59 | やすらはで 寝なましものを さ夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな |
赤染衛門 |
62 | 夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ |
清少納言 |
63 | 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな |
左京大夫道雅 |
65 | 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ |
相模 |
68 | 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな |
三条院 |
69 | 嵐吹く み室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり |
能因法師 |
70 | さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ |
良暹法師 |
73 | 高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ |
大江匡房 |